Description of item
泥染めを施した大島紬(正絹)です。
伝統工芸品に指定された大島紬は、誰もが憧れる最高峰の着物。奄美伝承の古典柄を得意とする「前田紬工芸」(奄美大島)が創作した龍郷柄は、泥染めならではの深い黒が楽しめる逸品です。
<デザイン>
奄美大島に生息する鷺蘭(別名:ダイサギソウ)という花をモチーフにしました。鳥の鷺が翼を広げている様子に似ていることから名付けられました。“純粋・無垢”という花言葉を持つ、真っ白な花びらが美しい花です。奄美大島の自然美を表現したい思いから、芭蕉の葉が生い茂る森の中に神秘的に咲く、鷺蘭の景色をイメージしてデザインしました。前田紬工芸が得意とする変化締めの絣表現を多様して織り上げました。手前に出したい箇所は白上げに、奥行きを持たせたい所は、茶系に仕上げています。大胆な芭蕉の葉と、繊細な鷺蘭を組み合わせた、オリジナリティのある一枚です。
<素材>
正絹の細い生糸を使用し、高密度に織り上げました。糸の精製から染付け(色の摺り込み)まで全て分業で行われ、織り上げるまでに沢山の工程を経ます。手間のかかった糸自体がとても丈夫な素材ですので、母から子へ、孫へと永く受け継がれる着物になります。すっきりとした着心地で、大島紬独特の衣ずれの音をお楽しみください。
<技法>
泥染めの濃淡で柄を表現しています。締織の工程で、締めの加減を調整することで異なる濃淡を演出し、柄全体に奥行きを持たせています。
糸精製、染め、織すべてに手間暇のかかった大島紬は、カジュアルな着物ですが、最高峰の技術が詰まった逸品と言えます。裏地の無い単衣の時期は従来6月・9月のみとされてきましたが、暖かな気候が増えた昨今では、単衣でお仕立ていただくとインナーやアウター次第で真夏以外の長いシーズンご着用いただけます。